AI研修に使える助成金・補助金まとめ【2026年最新】|実質負担はいくらになるか
生成AI研修で検討できる国・自治体の助成制度と、20名・16時間・100万円の研修を例にした計算方法を、令和8年度の一次情報から整理します。
企業の生成AI研修は、要件を満たすと国の「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」の対象になり得ます。令和8年度は中小企業の経費助成率が75%、賃金助成が受講者1人1時間あたり1,000円で、コースは2027年3月31日までの時限措置です。研修内容、受講者、時間、届出時期を契約前に照合することが先決です。
※助成金の支給を保証するものではありません。支給の可否・金額は労働局の審査によります
AI研修で最初に検討するのは人材開発支援助成金
生成AIの利用方法やAIを使った開発を学ぶ企業研修では、厚生労働省の事業展開等リスキリング支援コースが中心候補です。通常業務を離れて受けるOFF-JTであること、訓練時間が10時間以上であること、受講者が訓練期間を通じて雇用保険被保険者であることなど、複数の要件があります。
「AI研修 補助金」と検索されることもありますが、本稿で扱う国制度の正式名称は助成金です。補助金は採択件数や審査を経る公募型が多い一方、雇用関係助成金は定められた要件と審査に基づいて支給されます。呼び方だけで判断せず、制度名と実施主体を確認してください。
検討できる制度の一覧
| 制度 | 主な対象 | 助成率・上限 | 期限・申請時期 |
|---|---|---|---|
| 事業展開等リスキリング支援コース | 新規事業、DX・GXなどに必要なOFF-JT | 中小企業75%、大企業60%。中小企業の経費上限は10時間以上100時間未満で1人30万円。賃金助成は中小企業1,000円/人・時 | 2027年3月31日まで。計画届は原則、開始日の6か月前から1か月前まで |
| 人への投資促進コース | 高度デジタル人材、定額制訓練、自発的職業能力開発など | 訓練類型で助成率・上限が異なるため、受講形態ごとに公式案内を確認 | 類型ごとの計画届・支給申請期限に従う |
| 東京都DXリスキリング助成金 | 都内中小企業等が従業員へ実施する3時間以上10時間未満のDX研修 | 対象経費の4分の3。1人1研修7万5,000円、1社100万円が上限 | 受付は2027年2月28日まで。研修開始予定日の1か月前まで |
表の情報は2026年7月24日に各制度の公式ページで確認しました。東京都の制度は国制度と対象時間が異なり、同じ研修について国や他自治体から重ねて助成を受けられません。所在地、研修時間、併給制限を個別に確認します。
※助成金の支給を保証するものではありません。支給の可否・金額は労働局の審査によります
20名・16時間・100万円の研修で計算する
中小企業が、雇用保険被保険者20名に16時間のOFF-JTを実施し、対象経費が100万円と認められた場合を考えます。令和8年度の率と上限を使った概算は次のとおりです。
| 計算項目 | 計算式 | 概算 |
|---|---|---|
| 経費助成 | 100万円 × 75% | 75万円 |
| 1人あたり上限の確認 | 75万円 ÷ 20名 = 3万7,500円 | 30万円/人を下回る |
| 賃金助成 | 1,000円 × 16時間 × 20名 | 32万円 |
| 助成額の合計 | 75万円 + 32万円 | 107万円 |
| 研修費に対する残額 | 100万円 − 経費助成75万円 | 25万円 |
表の制度数値は、厚生労働省の令和8年5月14日版・詳細パンフレットで2026年7月24日に確認しました。賃金助成32万円は、受講時間中に事業主が負担する賃金に対する助成です。したがって「助成合計107万円」と「研修費の残額25万円」は別の費目として稟議に記載します。
※助成金の支給を保証するものではありません。支給の可否・金額は労働局の審査によります
対象になる研修の要件
契約前に、少なくとも次の項目を確認します。
| 確認項目 | 判断の要点 |
|---|---|
| 事業主 | 雇用保険適用事業所である |
| 受講者 | 訓練期間を通じて雇用保険被保険者である。代表取締役や個人事業主本人は対象外 |
| 研修形式 | 通常業務と区別されたOFF-JTである |
| 時間 | 実訓練時間が10時間以上である |
| 研修目的 | 事業展開、DX・GXなどに必要な知識・技能の習得である |
| 計画 | 原則として開始1か月前までに、受講企業が管轄労働局へ計画届を出す |
表の要件は2026年7月24日に厚生労働省の詳細パンフレットで確認しました。研修の休憩時間や通常業務に当たる時間は、実訓練時間に含められない場合があります。
AI研修は通常「② DXに伴う訓練」で整理する
令和8年度の実施訓練実施計画届には、①事業展開、②DX・GX、③人事・人材育成計画の3類型があります。生成AIを業務へ導入するための研修は、通常②のDXに伴う訓練として検討します。
中小企業が認定経営革新等支援機関の確認を求められる欄は、③を選んだ場合のものです。②にその確認はありません。類型を混同すると不要な準備が増えるため、研修目的と計画書の選択肢を一致させます。
申請するのは受講企業
計画届と支給申請の主体は、研修を受ける企業です。研修会社を国が一律に認定する仕組みはありません。特定の研修会社を選ぶだけでは対象にならず、研修内容、時間、講師、対象経費、受講記録が制度要件に合うかを、受講企業と管轄労働局で確認します。
2026年5月14日の制度改正により、支給申請時には「受講料等の価格設定に関する疎明書(様式第28号)」の提出も必要になりました。電子申請画面の改修が完了するまでは、指定された「その他」の添付欄へ疎明書を添付します。最新の提出方法は厚生労働省の人材開発支援助成金ページで確認してください。
研修会社ができるのは、カリキュラム、見積書、時間割、受講記録など、研修に関する情報を明確にすることです。個別の申請書類の作成・提出を報酬を得て行う業務は社会保険労務士の領域なので、必要な場合は社労士または労働局へ相談します。
要件を満たすAI研修の選び方
研修選定の起点は、助成率よりも業務と学習目的です。次の順で確かめると判断が安定します。
- 研修後に変えたい業務と、必要なスキルを言語化する
- 10時間以上のOFF-JTとして、講義と演習の時間を分ける
- 雇用保険被保険者だけで対象人数を数える
- 見積書、カリキュラム、出欠・受講記録の提供方法を確認する
- 開始1か月前に間に合うよう、労働局へ事前確認する
制度の計算は重要ですが、研修後に実務で使う設計がなければ投資判断はできません。料金だけでなく、自社業務を演習へ持ち込めるか、レビューと定着まで扱うかを比較してください。
参照した一次情報
- 厚生労働省「事業展開等リスキリング支援コースのご案内(詳細版)」令和8年5月14日版
- 厚生労働省「人材開発支援助成金」
- 厚生労働省「人材開発支援助成金 申請書類(令和8年3月〜)」
- 東京しごと財団「令和8年度DXリスキリング助成金」
一次情報の確認日: 2026年7月26日
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